序章:出発の準備をしていたら嬉しい連絡が…
数日前から初の『一人登山』に向けて心躍りつつ少しの不安が入り混じった変な感覚で過ごしていました。
そして当日朝、いつもの時間に目覚め、炊飯器のスイッチを押して準備をします。
カーテンを開け外の風を入れたころにLINEの通知が。
友人が急遽予定が空いたらしく、誘ってみたらふたつ返事で参加決定!
数日間のソワソワだけを満喫して当日は友人と出発になりました!
家を9時頃に出て、駐車場に着いたのは10時ちょうど。
天気は最高。風もなく、澄んだ空気が体中を駆け抜けていく気持ちいい天気でした。

春の花──コデマリが純白の花をつけて、まるで「ようこそ」と微笑んでいるようでしたよ!
駐車場の前には登山道の看板があり、案内してくれます。

山頂まで2.8㎞、徒歩で1時間10分だそうです。
第1章:さあいよいよスタート!!
駐車場から5分ほど歩くと登山道入り口にたどり着いた。
そこには美しい鳥居が佇んでいた。
「今日一日、安全に。そしてこのフィールドをお借りします」
そんな祈りを込めて、友人とふたりで一礼した。

体力に自信のない方はここで杖をレンタルしていくといいかなと思います。
特に帰り道は下りで、思ったより足に負担がかかりますので、無理せずレンタルするといいかなと思います!
———
第2章:鳥居をくぐっていざ!!
山の神様に今日の登山の安全を祈念して一礼。

さあ行こう!

序盤は思っていたより急な登り階段が続きますよ!
そして少し疲れてきたなぁって思った頃に緩やかになってきます。

あと2.2㎞地点まで来ました!
2.2㎞地点を過ぎると小さな沢を発見!ちょろちょろと水が流れています。

よく見ると澄んだ清水でしたよ。これが錦江湾まで流れていくんですね!
この辺りまで来るともう体はだいぶ慣れてきて、自然を楽しむ余裕が出てきました。
お邪魔したのが5月上旬でしたので、新緑の時期ど真ん中!
一面鮮やかな薄緑の葉っぱが太陽の光を受けてグングンパワーを吸収しているみたいでした!

そしてあと1.6㎞!
この先は「なにこれ?」がありましたので写真でご紹介。

石積みのされた謎の丸い空間。

「奇岩 銭積石」(ぜにつみいし)
倒木があり今はこのルートからは見に行けないそうです。
第3章:最後の難関と、広がる鹿児島の大地
歩き始めて40分ほどすると、再び少しきつめの登り勾配が現れました。
そしてその先に倒木。

確かにこんなのがあったら危ないよね!って思いました。
大きな岩も軽々持ち上げる倒木のパワーに圧倒されますね。
そして少しだけ息を切らせながら上がると、道は再び平坦になりました。

あと残り500m!!
この辺りから広葉樹が増えてきたな~って感じました。スタートの方は針葉樹(杉)が多かった気がしました。
ここからはもうしばらく平たんな道を歩きながらクールダウンタイムです。
不思議な石碑が姿を現します。

三角點って書いてあります。
(※りりか先生の注釈:三角点は地図作りの基準点だよ。)


謎の円柱型の石碑。こちらには天測点と書いてありました。
(※りりか先生の注釈:天測点は宇宙の星と地球の位置を測る特別な基準点)
いつの間にか登ってきた疲れを忘れ、知的好奇心にワクワクしていよいよ頂上を目指します!
(でもたぶんここに石碑があるってことは、ここが山の中では一番高い場所なのかな?ってふと思ったけどそれは心の中に置いといて…)
第4章:頂上の祝福と未来を照らす光輪&飛行機雲
どーん!


展望所にたどり着いた瞬間、視界が一気に開けた。

左には桜島。
中央には鹿児島市街と錦江湾。
そして右奥には、うっすらと開聞岳が顔を出していましたー!
けっこう感動します!!

頂上で飲もうと持ってきた缶コーヒーを開け、ススっと一口。
自然に囲まれてただの缶コーヒーは特別なスペシャルコーヒーに変身しました!笑
そして、家から持ってきたおにぎりをぱくり。
そんな時、隣にいた家族連れの小さな女の子が言いました。
「おかあさーん、飛行機雲が出てるから、雨が降るよー」
思わず友人と二人空を見上げたら、
なんと。。。。

見上げた空には、飛行機雲と──その先に**光輪(ハロ)**が輝いてるじゃないか。。。
未来への祝福のサイン??
鹿児島市で一番空に近い場所で見た「光の輪」と「飛行機雲」、なんというタイミング!って思わずテンションが上がっちゃいました!
これからの自分たちの道を優しく照らしてくれているようでしたー。
(りりか先生の注釈)
第5章:近場のスポットも逃さず行っちゃおう!
下山は特に特別なことはなく無事下山しました。
そしてせっかく来たので、近場の観光スポットへ。

まずは甲突池(甲突川の源泉)

そして花尾神社
静かな水面と、歴史ある神社に「ありがとう」を伝えました!!
———
第6章:純喫茶で出会った人生の物語
その帰りに訪れたのは、昭和63年創業の郡山町にある純喫茶「Rich」。
マスターは78歳の女性。

注文してからサイフォンで手間をかけて入れてくれる至極の一杯。
山頂の缶コーヒーとは違った格別のおいしさ。
(本当に滑らかな口当たりで酸味苦みが控えめ、甘みのある柔らかい飲み心地)
毎月第4土曜の夜にはジャズの生演奏が行われ、20年以上続くバンドとの絆があるそうです。
20年位前に駐車場で水撒きをしていた時、「ここで演奏させてください」と頼みに来た汗だくの青年たちを受け入れたのが始まりで、20年たった今でもここでの演奏が続いているそうです。
そして常連の84歳と70歳の男性ふたり組も、毎週ドライブがてら通っているそうです。
「人と人の絆が、音楽と共に時間を超えて続いていた。」
話が盛り上がっていると、マスタ―から絶品炊き込みご飯おにぎりと緑茶のサービス。
(コーヒーとおにぎりのセットって数時間前にも食べたような…)
帰り際、外まで見送ってくれて言われた言葉。
「たくさん話を聞いてくれてありがとう」
こちらこそ、貴重な人生の物語を聞かせてもらって感謝でいっぱいだよー。
終章:出会いが紡いだ、今日という奇跡
自然、友、見知らぬ人々、そして自分自身との対話の一日でした。
こんなにたくさんの奇跡に出会えて、本当に出かけてよかった。
🔎【りり助の豆知識:八重山について】
① 八重山と呼ばれる地名の由来
「八重山」は「たくさん重なった山々」という意味。古事記や日本書紀でも「八重」は自然の重なりや調和を象徴する言葉。鹿児島市の八重山もその地形から命名された。
② 八重山(鹿児島市)の基本情報
住所:鹿児島県鹿児島市郡山町
標高:約520メートル
特徴:初心者でも楽しめる登山スポット。桜島・錦江湾・開聞岳を一望でき、三角点・天測点が設置されている。
③ この土地の歴史
郡山町は古くから農業と水源で栄え、江戸時代は薩摩藩の稲作・林業の拠点に。明治以降の測量事業で三角点・天測点が作られ、今も残る。
【Little Steps, Big Smiles 登山記録:八重山編 完】
この記事を読んでくれたあなたへ──
「あなたの旅にも、今日という奇跡が訪れますように。」
ハル&りり助
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